著者の倉持由香さんは、グラビアの世界では尻職人として有名な方ですよね。
いろんな雑誌やテレビでよく見かけますが、やっぱりツイッターで知っている人が非常に多いんじゃないでしょうか?
このブログを見てくださっている方の中にも、「フォローしているよー」と心の中でつぶやいた方もいるかと思います。
本書は、倉持さんがタワーマンションに住めるようになるまで売れた方法を、グラビアアイドルの子たちが応用できるような視点でまとめたビジネス書です。
はっきり言って、普通のサラリーマンも応用が聞く話が多いので読んだ方がいいです。
- グラビアアイドルの仕事論 打算と反骨のSNSプロデュース術
- 倉持さんの印象
- 倉持さんのすごくて、おじさんでも真似できそうなところ
- 倉持さんが躍進した理由
- ニッチを見つけられる人は少ない、けど・・・
- まとめとして他に面白かったところなど
グラビアアイドルの仕事論 打算と反骨のSNSプロデュース術
著者:倉持由香
発行所:株式会社星海社
初版発行:2019年4月25日
倉持さんの印象
倉持さんは、おじさんから見ると、デジタルネイティブの発想力で過去にも使われてきたマーケティング方法をお金をかけずにやりきったビジネスマン、という印象です。
彼女のすごいところは、自分の活動を広げるために尻を強調した自撮り写真をツイッターにあげるということを始めたわけです。
でも、もっとすごいのは『#グラビア自画撮り部』というハッシュタグを考えて、当時、AKBグループが雑誌の表紙を席巻したために売れずに悩んでいたグラビアアイドルたちもみんな使えるようにしたところですよね。
ここが非常に優しく、かつビジネスマンとして素晴らしい嗅覚というか能力を発揮したところじゃないかな?
倉持さんのすごくて、おじさんでも真似できそうなところ
倉持さん本人はコンプレックスと言っていますが、グラビアアイドルとして強調できるパーツを自分で考えて、お尻ならお尻を強調したポーズで自撮りしたものをハッシュタグをつけて公開する手法を、独占するわけでなく、真似した人を見て見ぬふりをするわけでもなく、まずは同じように悩んでいたグラビアアイドルの友達を巻き込んで流行らせて行ったのがすごいんですよね。
この、『自分と同じように悩んでいる友達を巻き込む』というのは、おじさんでも真似できますよね?
ぼくの周りにいる20代の人たちは、案外当たり前のようにやっているのですが、いわゆるアラフォー以降の年代って、頭が固くなっているというより、社会に揉まれすぎて疑心暗鬼になりすぎているところがあって、同世代でも自分が困っていることを打ち明けられないし、一緒に行動したほうが効率がいいことでもなかなか協力できないんものなんです。
ちょっと話は逸れますが、ぼくが最近経験したことなんですけど、けっこう有名な企業に勤めていてサラリーマンとして成功していると思っていた友人が、実は中小企業に勤めている他の仲間とどんぐりの背比べレベルの収入で、同じように5年先の生活を心配していることを知ったんですよね。
有名企業に勤めているのに、20年後の定年してからの生活ではないんですよ。
5年後、と言っていますけど、本音は2~3年後を心配しているんです。
なかなか売れなくて悩んでいるグラビアアイドルと、心配レベルが何にも変わらないんですよ。
だったら、おじさんだって面白いアイディアを思いついたら、倉持さんの『#グラビア自画撮り部』を見習って、友達を誘って一緒に試して見るべきじゃないですか?
だって、本書を読めば、お金をかけなくてもできる方法があるって理解できるんですから。
倉持さんが躍進した理由
彼女のハッシュタグがうまくハマったのは、ひらめきが運にうまく乗って拡散したという部分がありますけど、そのひらめいたハッシュタグが、当時の倉持さんと同じように悩んでいたり、人に見つけてもらう方法がわからなくてもがいてる子たちが共感して、みんなが使い出して拡散されていったことです。
そして、それが彼女自身の急成長と躍進を実現させた大きなポイントだと思うんですよね。
重要なのは、ハッシュタグが拡散して利益を得たのは倉持さんだけではなかったことですよね。
他のアイドルたちもツイッターのフォロワーが大幅に増えて、雑誌やテレビの仕事を得ることができたのが大きかったんじゃないかな?
本書を読んでいても、倉持さんがこのハッシュタグによって大きな利益、ここでいう利益っていうのは倉持さんが目標にしていた仕事という意味ですが、その利益は他のアイドルより後にもう一山超えることでようやく得られたようなんです。
でも、他のアイドルたちが先にいい仕事を得られたことが、むしろ彼女を特定のパーツを強調するグラビアアイドルの第一人者にしたんだと思います。
第一人者は、専門家として見られますし、評論家として見られますし、相談役として見られますからね。
みんなの生きる道を分け与えれば与えるほど、第一人者として認められていったんです。
もう、いうなれば山賊の長ですよ。
ニッチを見つけられる人は少ない、けど・・・
ニッチというものは、もちろんそう簡単には見つけられません。
自分ではなかなか気づけないものだからニッチなので、それを見つけるのが難しいからみんな頭を悩ませて、みんなどこかでつまずいているわけです。
このニッチの見つけ方は、ネットで探せば色んな技術が公開されています。
でも、見つけられそうでなかなか見つからないから、成功者と呼ばれるような人、インフルエンサーと呼ばれるような人が少ない理由の1つだとおもうんですよね。
でも、ニッチを探そうと一生懸命になるから見つからないとも言えるんですよ。
倉持さんだって、ニッチを探した結果、尻職人になったわけでも『#グラビア自画撮り部』というハッシュタグを見つけたわけではないですよね。
自分がコンプレックスでマイナス点だと思っていたことが、実は魅力だったことにあることをきっかけに気づいて、自分を知ってもらう方法を試していたことがニッチだったんですよ。
なんていうかな、もがいて進んでいる途中でニッチが作られていった感じかなあ。
つまり、最初からニッチを探すんじゃなくて、あることを極めていくと自分だけの得意なポイントができていって、うまくいくとそれがニッチになる
まとめとして他に面白かったところなど
倉持さんが、暴露ネタにはメリットがないと語っているのがいいですね。
炎上ネタで一気に拡散させようという方法がありますけど、あれってやっぱり賢くない方法ですよね。
本書では、倉持さんは知名度のピラミッド理論というので説明しています。
これを読むと、やっぱりみんながハッピーになる方法が強いなあと感じました。
最後にもう一度言います。
本書は、アラフォー以上の生活に行き詰まりを感じている人に読んで欲しい1冊です。
理由は、デジタルネイティブの倉持さんが自分の活動を広めるために行動し考えてきたことが書かれていて、しかも一人勝ちの方法じゃないからです。
一人勝ちではなく、仲間も同時進行で勝てる方法だからアラフォーにも価値があるんです。
みんなで同時進行で勝てる時代なんだって気づけるだけでも、本書は価値がありますよ。