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社会のはぐれ鳥 ストレイバードのブログです。主に昭和レトロで微妙な本、珍本、奇本を中心に紹介しています。

睡眠負債を抱えたワーカホリックはバーサーカーの一種かもしれない〜眠り方を忘れたサラリーマン

狛犬の顔image

 

今回は、寝不足は危険なんですよ!

ということが実体験をもとに書かれた本を紹介します。

 

本といっても、Kindleの電子書籍で個人出版物ですが、最近はKindleを使えば一人で本を出せるので、個人出版が本当に増えましたよね。

 

最近、仕事の疲れがなかなか抜けないと思う方は、一度読んでみてもいいと思います。

 

 

 

眠り方を忘れたサラリーマン: 実際に体験した睡眠負債の仕事の影響と対策

眠り方を忘れたサラリーマン

実際に体験した睡眠負債の仕事の影響と対策

著者:イグチ ヨシロー

発売日 ‏ : 2022年4月29日

 

 

本書の特徴

寝不足に勝てない猫イメージ

 

本書は、著者自身が会社員時代に実体験した寝不足が原因で起きた心身の不調が書かれた章から始まり、会社員が寝不足になる理由についての考えと、寝不足を改善するために役立ちそうなことをまとめた章からなります。

 

睡眠負債がひとつのキーワードで、寝不足の蓄積が原因のひとつと思われる、著者の身に起きた数々の不調が書かれています。

 

あと、著者が40歳を境に経験したことなので、現在、30代から40代前半の方に向いている内容かと思います。

 

余計なことが省かれているぶん、ページ数は少なめですが、疲れが溜まっていて集中力が落ちていても最後まで一気に読めるのはないでしょうか。

 

Kindleなので、読み放題にしている人は無料で読めるんじゃないかな?

 

 

ゴミが溜まった状態イメージ

 

ちなみに、本書の著者は、会社員時代は平均4時間の睡眠で働いていたんですって。

 

それを20代のころから続けていたんだけど、40歳を超えたころから疲れが取れなくなって、あげくには眠り方がわからなくなる経験をしたんだそうです。

 

それ以外にも、仕事に影響が出るほどの不調を経験したそうなんですが、その原因がどうやら睡眠負債にあるのではないかというんです。

 

睡眠負債を簡単に説明すると、寝不足が長期間続いて積み重なった状態とでも言えばいいのかな?

 

じゃあ、寝不足で何か積み重なるのかというと、睡眠中に回復するはずの疲れだけでなく、本来は排出されなければ行けない脳内の老廃物が排出しきれずに溜まってしまうことも含むみたいです。

 

そうやって、老廃物が溜まり続けると、いかにも悪いことが起こりそうですよね?

 

著者に何が起きたのかは、ぜひ御一読いただきたいところですが、睡眠時間が平均4時間の人なんて、正直、けっこういるじゃないですか?

 

だから、睡眠負債の怖さというのは無視できないよな、と思うんですよね。

 

 

個人的な寝不足の思い出

モノクロの記憶イメージ

 

これまでの人生を振り返ると、

「若いころ、しっかりと眠っておけばよかったな。」

と後悔することも、けっこうあったりします。

 

いま考えれば、仕事で講演会を聞きに行った時はたいてい開始3分で寝落ちするのがほとんどだったな。

 

たぶん、現場でアドレナリンが出ていないと、昼間、まともに起きていられなかったんだろうな。

 

いま思い返すと本当にひどい話なんだけど、週末になるとどうしても起き上がれなくて、せっかく当時の彼女がデートに誘ってくれたのに眠いからって断ったこともありました。

 

デートより、仕事で無理することの方を優先していたなんて、いまならそれがどれだけバカなことか、考えるまでもないですけど。

 

なんというか、当時は睡眠時間が足りないと感じることイコール、忙しく働いている、みたいな勘違いがあったのかもしれません。

 

いえ、実際に忙しかったんですよ?

 

でも、忙しければ忙しいほど、仕事が早く終われる日はさみしさを感じるというか、罪悪感に近い感覚に襲われたんですよね。

 

そのような、おかしな焦燥感みたいなものも、ワーカホリックの特徴なんでしょうね。

 

寝不足の思い出は、ゲームがやめられなくて、本を読みだしたら止まらなくなって、毎晩飲み歩いて、みたいないろいろな経験が誰だってあると思いますが、どんなに真面目な理由だとしても大概にしとかないかん、ということなんでしょうね。

 

逆にいえば、無理は若いときにしておけってことなのかな。

 

いや、それも令和の時代にはありえない話か。

 

なんてことを思いながら、やっぱり限界を超えるまで無茶をしたくなるような仕事をまたしたいという欲求が頭をもたげてくるのも事実で、自分はつくづく懲りないなあ、と昭和生まれの自分に呆れます。

 

 

蛇足

ベルセルクの蝕っぽいimage

蛇足ですけど、学生時代に読んだファンタジー系の小説でロードス島戦記というのがありました。

 

【合本版】新装版 ロードス島戦記 全7巻 (角川スニーカー文庫)

 

その登場人物で、バーサーカーというキャラが出てくるのですが、バーサーカーは狂戦士とも表記しますが、イメージとしては怒りに支配される代わりにとんでもない強さを発揮するのですが、狂うほどの怒りで我を失い、敵味方の区別すらできなくなることもあるんです。

 

近年の作品では、ベルセルクというマンガの主人公、ガッツが、魔法の鎧に乗っ取られてとんでもない力を発揮して使徒と戦うシーンがありますが、それも鎧によって痛みなどを感じなくなる代わりに怒りに支配されてしまいます。

 

ワーカホリックも、ある意味、感情や欲求に支配されて壊れて動けなくなるまで仕事を止められない状態なので、バーサーカーの一種のような気がしませんか?

 

ワーカホリックな人は、もしかするとファンタジーの世界に片足を突っ込んでいるのかもしれません。

 

ちなみに、バーサーカーは英語読みでBerserkerと書き、語源のノルウェー語ではBerserkrと書きベルセルクと読むそうです。

 

ベルセルク 1 (ヤングアニマルコミックス)

 

おわりに〜勧めたい人

眠る子猫 image

 

本書は、結局のところ、

寝不足を侮ると後悔しますよ。

ということなのですが、何気に、

現在進行形で、眠れないという悩みを持つ人が対象になっていたりするんです。

 

そういう人に向けて、仕事のストレスなどで眠れない状況を改善するための提案もいくつか書かれています。

 

表紙にもあるように、著者は寝不足を長年そのままにしたために心身の健康を損ねてしまい、回復までに3年かかったそうです。

 

だから、現在、眠れない、寝不足だと感じている人に向けて、自身の体験と効果を感じられた対処法をまとめたのでしょう。

 

ちなみに、著者は同じような症状を感じた人には、対処法だけに頼らず、専門医などに相談することを勧めています。

 

回復に3年間かかった症状は、そうとう大変だったということなんでしょうね。

 

対象者はものすごくニッチですが、寝不足を感じたり、最近疲れが取れなくなったと感じている人は、一度読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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