ストレイバード はぐれ鳥の止まり木

瀬戸市の読書コミュニティスペース ストレイバードの日記です。主に昭和の微妙な本、珍本、奇本を中心に紹介しています。

なぜ自己啓発系ビジネス書のようなタイトルに〜逆転人生の糸島ブランド戦略

海辺の風景イメージ

 

 

福岡県糸島市

近年、地方活性化の成功例として取り上げられることの多い街です。

 

活性化に成功したことで、観光地としてだけでなく、

働く場としても魅力的になった糸島市の紆余曲折なストーリー。

 

今回紹介するのは、活性化に興味のある人にオススメしたい1冊です。

 

 

 

 

 

地域も自分もガチで変える! 逆転人生の糸島ブランド戦略

地域も自分もガチで変える!逆転人生の糸島ブランド戦略

税金ドロボーと言われた町役場職員が、日本一のMBA公務員になれたわけ

 

著者:岡祐輔

発行所:株式会社実務教育出版

初版発行:2020年4月30日

 

 

本書をオススメしたい人 

まちの活性化に関わっている公務員

活性化に関わりたい人

糸島に興味のある人

 

 

マーブル模様のような本書の特徴

マーブル

 

なんか、不思議な本なんですよね。

 

いや、不思議というとちょっと語弊があるのですが、

1冊の中に色々な要素が詰め込まれすぎていて、

普通に目を通していると途中で要点がわからなくなるというか。

 

読み手のそのときに行き紙が強く向いている方向によって、

自己啓発本にも読めるし、

MBAのアプローチによる課題解決ノウハウにも読めるし、

著者の武勇伝にも読めるし、

もちろん街の活性化の参考書にもなるという、

7色、は言い過ぎか。

 

ウルトラマンのオープニングで、

マーブル模様の中からウルトラQって文字が出てくるでしょう?

 

あんな感じの本です。

 

だから、むしろ研究書のような読みにくさはなく、

最後まで飽きさせずに読ませる構成になっていて素晴らしいのですが、

その特徴が逆に、読者が流れに身を任せて読み進めると、

最後に何を読んでいたのかわからなくなるように作用してしまうのかな?

と感じました。

 

 

本書のターゲット層

書店の風景イメージ

 

本書のターゲットも特殊で、

地方都市の市役所や区役所の活性化に関わる職員がメインなんですよ。

 

一般書店で売られる本で、公務員に向けた参考書以外のノウハウ本って珍しくないですか?

 

発行所が、実務教育出版という公務員試験参考書を中心に扱う出版社なので、

公務員がメインターゲットになっているんでしょうね。

 

もちろん、街で活性化に取り組んでいる一般市民や、

まちづくり関連の仕事をしている人も非常に参考になりますよ。

 

なにせ、糸島は活性化の成功例として真っ先に名が挙がるくらい有名な地域です。

まちづくりに関わる人はみんな、発展までの過程を知りたいですから。

 

そういう意味で、まちづくりに関わる人にとって本書は貴重な1冊なのです。

 

 

読んでいて難しいなあと思ったところ

難しい関係の2匹の猫イメージ

 

『税金ドロボーと言われた町役場職員が、日本一のMBA公務員になれたわけ』

 

という、落ちこぼれの逆転劇を感じさせるサブタイトルがありますが、

これが微妙なんですよ。

 

微妙というのは、本書を読んでいくと、

一般市民にはかなりハードルの高い逆転劇だということが透けて見えるんです。

 

というのは、著者が活用できた様々なオプション、

オプションとは補助金事業であったり、産官学連携のことをいうのですが、

一般市民にはなかなか手が届かない、見つけにくいものなんですよ。

 

たとえば、まちづくりに関する補助金事業は、

一般市民が申請できるものは5~10万円程度のものがほとんどです。

 

でも、役場などが申請できる補助金事業は金額も種類も色々あるんですよね。

 

もちろん、役所が申請できる補助金事業は、本書でも出てきますが、

事業規模が大きいぶん、申請書類は一般市民が準備できるレベルではないです。

 

あと、日本社会で行動するにあたって、役所の名刺は信用度が半端ないです。

 

役場の職員の名刺は、ある意味、水戸黄門の印籠です。

 

だから、出入りできる場所の範囲が一般市民とは雲泥の差です。

 

つまり、一般市民とはスタート時点で触れることのできる情報量が違うので、

まちづくりに関わる一般市民が本書を参考にしようとすると、

本書の情報を分解してアレンジするのに相当苦労するはずです。

 

そういう意味で、本書は公務員に向けたノウハウ本なのでしょうね。

 

 

余談ですが福岡の思い出

20年前の福岡の風景イメージ

 

ぼくは、20年以上前、福岡で暮らしていたことがあるのですが、

そのころは福岡生まれの友達からも糸島という地名は聞いたことがなかったんですよね。

 

これはたまたまだと思うのですが、友達の中にも小倉や飯塚出身はいても、

糸島の出身者はいなかったんですよ。

 

だから、ぼくは福岡に住んでいたときも糸島市は存在すら知りませんでした。

 

まあ、いま思えばただただ残念なやつなのですが、

20代のころのぼくはまち歩きなどにも興味がなかったので、

視野が狭くて見えていなかっただけです。

 

でも、友達とドライブに行くときに候補でも出なかったのは、

20年前は地元の人にとってもわざわざ行きたい場所ではなかったということでしょう。

 

そういう、地元の人たちからもたいして推されていなかった地域が、

いまでは産学官連携で大学のサテライトキャンパスができたり、

企業誘致に成功して観光地としても就労先としても魅力的に生まれかわり、

いまでは全国の地方都市から注目を集めているのですから、

糸島市が成し遂げたことがいかにすごいことかよくわかりますよね。

 

 

まとめ

海の見える街のイメージ

 

本書の一番のターゲットはやっぱり、まちづくりに関わっていて、

 

糸島市がどうやって活性化に成功したのか?

 

どれくらいの規模で取り組んできたのか?

 

ということを詳細に知りたい人じゃないかと思います。

 

タイトルのMBAの文字に引いて手を引っ込める人ひともいるかもしれませんが、

MBAの部分は三の次くらいに捉えておけばいいです。

 

MBAの部分は、活性化活動において状況分析などをどのように行うかを、

「MBAの知識でこのように解決するんですよ~。」

とサブテキスト的に扱っているだけなので、読み飛ばしても大丈夫でした。

 

それよりも、読んでいると著者の活動する姿から、

MBAなどの知識より、まちへの愛情と向き合い方の方が重要だと気づきます。

 

だからこそ、強調したい部分に蛍光マーカーのような線がたくさん入っていて、

なんだか自己啓発書のような作りでもったいないなあと。

 

先述したように、本書はマーブル模様のような作りでクセが強くとっつきにくいです。

 

でも、活性化の成功例に興味がある人は読む価値のある1冊なのは間違いないです。

 

 

 

 

 

 

 

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