いや~、路線変更(とは誰も言ってないんだけど)で衣装が黒に変更になったことが、いまだにザワついてますねえ。
豆柴の大群
KAMINOGEでは、元プロデューサーのクロちゃんのインタビューがたっぷり載っていて、読んでいるだけで人生の迷宮に迷い込んだ気になるなかなかの濃さでした。
そのほかにも、豆柴の大群のインタビュー、WACKの渡辺淳之介社長と水曜日のダウンタウンのプロデューサー藤井健太郎氏の対談も載っていたので、それらを読みながらクロちゃんとは何者なのか?
それと、現在絶賛ざわつき中の豆柴の大群の路線変更について、思ったことを徒然なるままに書いてみました。
発行所:玄文社
初版発行:2020年1月18日
まずはKAMINOGEについて
やっぱり、KAMINOGEの書評を、いや、書評っていう表現でいいのかな?
まあ、KAMINOGEの内容をもとに書くわけなので、KAMINOGEについて書かなければね。
この本は、ムック扱いになるのかな?
ちなみに、ムックというのは雑誌のような単行本で、ISBNコードという書籍管理コードがついています。
本書の内容を見ても、特集記事と連載記事があるのでムックでいいと思うんですけどね。
ちなみに、内容は基本的にプロレス関連が中心で、そこに格闘技や一見するとプロレスとは全く関係のないサブカルチャー的な内容の場合もあります。
なぜ、一見プロレスと関係のない内容が載るのかというと、このKAMINOGEというムック自体が四角いリングだからです。
肉体と肉体のぶつかり合いだけがプロレスではないんです。
実際のプロレスも、試合の前後の顛末もふくめてプロレスが成立するんですよね。
そして、プロレスは肉体は貧弱でも、心がモンスターなら成立させることが可能!
だから、職業がプロレスラーじゃなくても、面白いことにチャレンジしている人、世間をざわつかせている人、怪人レスラーのような濃いキャラクターの人でもKAMINOGE的には立派なレスラーというわけです!
そうであれば、クロちゃんとモンスターアイドルという企画に関係した人は、十分にレスラーと言えるでしょう。
・・・と勝手に解釈して書いてしまいましたが、ただの誤解だったらゴメンなさい。
ちなみに、個人的には長州力さんの居酒屋談義が載っている号は毎回買ってしまいます。
クロちゃんはやっぱり怪人
今回のインタビュー記事を読んでいると、これは確信犯かな?
と思うところがあったんですよね。
まあ、クロちゃんがプロフェッショナルの悪役レスラーかというと、ちょっと微妙です。
番組を見ていても、インタビュー内容を読んでも、クロちゃんは頭がいいんだなあと思いました。
でも、あのキャラクターが悪役に徹したものと言い切れないのは、やっぱりところどころで顔を出すサイコパスのようなキャラクターが白身に迫りすぎていて演技とはとても思えないんですよね。
本書に出てくる今田耕司のエピソード話なんて、イカレテいるとしか言いようがなしですし。
そうかと思うと、今回の番組のタイミングで、名古屋のパルコで『クロちゃんのモンスターパーク』というイベントが開催されていたのですが、そのイベントと、2019年に発行されたエッセイ『クロか、シロか。クロちゃんの流儀』という本に出てくる名言(?)が全てリンクしていたんですよ。
この展開を見ると、完ぺきなセルフプロデュースだと思いませんか?
今回の豆柴の大群プロデューサー解任劇は、黒ちゃんをダシに使ったWACKの一人勝ちのように言われることもあるようですが、とんでもない!
ハッキリ言って、クロちゃんの一人勝ち。
圧勝ですよ。
その気になれば、WACK以外の事務所と組んでアイドルをプロデュースすることもできるし、実際にそういう声はすでにかかっているんじゃない?
クロちゃんは、そう簡単に誘いには乗らないと思うけど。
2020年も、クロちゃんのポジションを奪える人はいないでしょう。
豆柴の大群は本当に路線変更したの?
以前からWACKのファンではなく、テレビで観てファンになったという人の中には、クロちゃんの復帰と前の衣装に戻さないとアンチになるという宣言をしている人がいるようですね。
でも、不思議なもので、プロデューサーを解任された上に衣装まで変えられた当の豆柴の大群たちは、いまのところ不満なさそうに見えます。
それどころか、1月3日のWACK新年ライブで渡辺社長がライブの最後にした、「批判が殺到したため今後は豆柴の大群はWACKから切り離します。」
という告知がジョークだと知った途端、思わず涙した子がいた時点で、本人たちは現在の方針でやる気満々でしょう。
あと、衣装変更に不満がある人は、涙した子にセントチヒロ・チッチがかけた「それくらいで泣くな。」という冷めた言葉の意味を、もう少し考えたほうがいいかもね。
まあ、大した意味はないんだけど。
ちなみに、黒と白の違いって何だと思う?
どっちも終わりであり始まりの色で、これから何が飛び出すかわからないたくさんの可能性を秘めたいい色なんだよね。
まだ1曲しかなくて、歌もダンスもまだまだな彼女たちにはピッタリじゃん。
それでもまだ不満で怒りが収まらないのなら、先輩グループの衣装がどう変わっていったのか?
その変遷を見てみることだね。
とくにギャングパレードなんて、初期から現在までにずいぶんと変わってきているし、BiSHも初期のコンセプトから、彼女たちの成長と多くのファンが作り上げたイメージから、衣装を含めた世界観が少しずつ固まっていって、いまではBiSHはBiSの延長でありながらオリジナルになっているじゃない?
つまり、現在のWACKの代表グループですら、グループの根本的な部分は変わっていないかもしれないけど、デビュー当時から色々な経験をしていく中で個性が際立っていったんじゃないですか?
そう考えれば、豆柴の大群はまだ変更できるほど路線ができていない、まだまっさらなグループじゃないでしょうか?
まあ、冷静に考えれば、WACKでデビューしたくて何度もオーディションを受けていた子がいて、WACKの育成グループの子がいて、そのほかの子もオーディション合宿をふくめ、溢れるようにあるWACKの情報を見て、WACKの世界でやっていこうと決めたわけだから、ちょっとしたことで非難してくる人のことを気にするより、「1度きりの人生、一発かましてやろう!」とワクワクしているんじゃない?
当然ですけど、WACKスレイブは楽しみに見守っていますよね?
他に面白かった記事
玉袋筋太郎「リッキー・フジ変態座談会」がすごく楽しかったですね。
30年前のプロレスファンなら、出てくるエピソードにワクワクするはずです。
もちろん、ターザン山本の対談も面白かったです。
ぼくの骨法の記憶は、これも30年くらい前に骨法を使う親子が旅をしているマンガがあって、劇中で土手のような場所の草をむしって乾煎りし、お茶を淹れるシーンがあったんですよ。
なぜか、そのシーンだけが焼き付いているんですよね。
結論、なんて大げさなものではないけど。
プロレスもバラエティー番組も、放送だけではストーリーが補完できないんですよね。
もちろん、放送だけでも楽しめるのですが、そこに前後を補完するテキストが加わると物語が多重になって面白さが何倍にも増すんです。
長州力さんの記事が載ると思わず買ってしまうのも、やっぱりリングの上や最近のテレビで見かける長州力とは少し違う、すごくいろいろなことを考えている長州力が垣間見えるからです。
今回のクロちゃんのインタビューを読んで、「テレビのまんまじゃん。」と思う人もいれば、「この男、侮れんなあ。」と思った人もいるでしょう。
でも、それはどちらの印象も、まずテレビというリングの上での出来事があって、その顛末についてインタビューしたものを活字にしたからこそ、リングという1次元の世界に、2次元3次元と複数の次元が作られて、新たな見え方ができるようになったんだと思います。
現場と活字、プロレスファンが昔からしていたプロレスの楽しみ方ですが、ほかの分野に持ち込んでもやっぱり面白くするんですね。
アイドルの世界はとっくの昔に、プロレスの楽しみ方を導入しています。
とくにWACKのアイドルを楽しもうというなら、このKAMINOGEのようなプロレスファンの楽しみ方を知っておいたほうがエモくなりますよ。
プロレスファンはオススメです