こんにちは。
今回の本は、意外と多くの人が
「アメリカの今の話か。別に今読まなくてもいいか。」
と、スルーしているんじゃないかなと思っているのですが、どうでしょうか?
アメリカンドリームの終わり
あるいは、富と権力を集中させる10の原理
著者:ノーム・チョムスキー
アメリカンドリームの終わり あるいは、富と権力を集中させる10の原理
- 作者: ノーム・チョムスキー,寺島隆吉,寺島美紀子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2017/10/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私も最初はアメリカがこれからダメになっていく話なら読まなくてもいいかな?と思ったのですが、
「いや待てよ。アメリカに追従して発展してきたのが日本なら、アメリカの話とはいえ他人事ではないかも?」
と思って手に取ったんですよ。
それで実際に読んだところ、一昔前は、
「今のアメリカは10年後の日本の姿だ」
みたいな言われ方をしていましたが、最近はどうやらそうではないみたいですね。
今のアメリカは明日の日本の姿だ
と言ったほうが正しいようです。
まあ、本の内容をどこまで信用するかは読者次第ですが、例えば現在の日本では年収850万円以上は増税になりそうですよね。
でも、850万円を増税のラインにする理由ってイマイチよくわかりません。
ふつうに考えたら、850万円程度で増税対象にしていたら、国民から一生懸命稼ごうとする意欲を奪うだけじゃないですか。
しかも、相変わらず大企業から適切な税金を徴収する気配はないままです。
このようなルールをこの本に書いてある内容と照らし合わせて考えると、この国の支配層は国民を常に不安な状態にしておくことで操りやすくしておきたいんだろうな、と思えてきます。
あと、国会では国民が厳しい目で見ているはずのテーマが話し合われているのに、ずっと相撲取りの喧嘩の話をワイドショーだけでなくニュース番組まで延々と垂れ流していましたよね。
この本によると、国民はすでにテレビで流される話題に反射的に反応して重要な話題から目を逸らされるように躾けられてしまっているようです。
「なんで相撲の喧嘩の話をまだやってるんだよ!」
とテレビに向かって怒りをぶつけている時点で、テレビに囚われている証拠なんですよね。
信じるか信じないかはあなた次第
ってやつですが、著者が知の巨人とも言えるような人ですし、歴史と照らし合わせても内容に納得する部分が多いです。
陰謀論として片付けるには、内容に説得力があって難しいと感じました。
この本は、自分はどんな世界に住んでいるのか、つまり自分自身を見つめ直すいいきっかけになると思いますよ。