ストレイバード はぐれ鳥の止まり木

社会のはぐれ鳥 ストレイバードのブログです。主に昭和レトロで微妙な本、珍本、奇本を中心に紹介しています。

読んだら勇気がもらえてステーキを食べに行きたくなる[オープンから24年目を迎える人気ステーキ店が味わったデスマッチよりも危険な飲食店経営の真実]

プロレスリングのイメージ

 

肉を食べると元気が出る!

 

そう感じる人は、けっこう多いんじゃないですか?

 

ステーキは、この数年間で格安で食べられるお店が増えたこともあり、ちょっとしたブームになっていましたよね?

 

でも、まさか「いきなり」が「やっぱり」に負けだすとは想像もしていませんでした。

 

そんな、ステーキチェーン店同士のデスマッチが繰り広げられる中、20年以上もの間、ステーキを焼き続けている元プロレスラーがいるんです。

 

その名は、ミスター・デンジャーこと松永光弘

 

本書は、現在もプロレスのリングで綿々と続くデスマッチ界の黎明期に、斬新で痛そうなアイデアを続々と発明していった重要人物が、ステーキ屋として戦いながら得た生き残り術を書き記したものです。

 

経営者だけでなく、1990年代のカオスなプロレス界にエモくなっていた人も必読の一冊です。

 

 

 

 

 

デスマッチよりも危険な飲食店経営の真実 - オープンから24年目を迎える人気ステーキ店が味わった -

オープンから24年目を迎える人気ステーキ店が味わったデスマッチよりも危険な飲食店経営の真実

著者:松永光弘

発行所:ワニブックス

初版発行:2020年7月27日

 

 

こんな人におすすめ

 

・将来、飲食店を経営したいと思っている人

・独立・起業したいと思っている人

・仕事で現状をひっくり返したいともがいている人

・元気のない人

・勇気がほしい人

・199年代にプロレスを観ていた人

・ステーキの好きな人

 

 

著者がプロレスで活躍した時代背景を考察

昭和のプロレスラーのイメージ

 

著者は、ミスター・デンジャーこと、元プロレスラーの松永光弘さん。

 

ぼくはプロレスが好きで、ミスター・デンジャーのことももちろん知っていたんですけど、試合は残念ながらリアルタイムでは観ていないんですよね。

 

理由は単純で、デスマッチ系の団体ってテレビで放送していなかったじゃないですか?

 

だから、観る機会がなかっただけなんですよ。

 

もしかすると、ビデオレンタルで1~2本借りて観たかもしれないですけど、正直、印象に残っていないんですよね。

 

やっぱり、当時は大仁田劇場のインパクトが強すぎたのかなあ。

 

だから、松永さんが愛知県出身ということも本書で知ったくらいです。

 

ただ、

試合会場の2階席からダイブした人。

というのはさすがに知っていました。

 

松永さんが活躍した1990年前後っていうのは、テレビ番組も雑誌も、メディアの表現がカオス状態でした。

 

雑誌なら、1970~1980年代の悪趣味な表現のリバイバルを目指したようなものが多く出版されていた記憶があります。

 

GONやTOO NEGATIVEって、プロレスでデスマッチが流行りだしたころと同時期じゃなかったかな?

 

テレビなら、進め!電波少年が1990年代じゃないですか?

 

テレビも雑誌もプロレスのアングラ的なムーブメントも、きっと、不況で日本が経済的にも精神的にも落ち込む中で、鬱屈した空気を吹き飛ばしてもう一度活気のある社会にしようと模索する動きのひとつだったんじゃないかと思います。

 

世間が浮揚するきっかけをつかめない閉塞感のなかで、それをぶち破ろうとするエネルギーですから、向かう方向が定まった一直線ではなく、暗闇の中で方向なく暴れるカオスなものだったんですよ。

 

だから、日本の奇祭が持っているような不思議なパワーを発揮するものも多く産まれた気がします。

 

かなまら祭や裸祭りの熱狂のようなものが、たぶん当時の文化には良い悪いは別として存在したんだと思います。

 

そんな熱狂も、個人的な記憶では、2000年を境にいっきにコンプライアンス的な規制が厳しくなって、テレビも雑誌も表現方法がキレイになっていくとともにカオスなエネルギーも消えていきました。

 

昭和のオカルト番組のイメージ

 

蛇足ですが、真面目な人はこんなことは書かないと思いますけど、ぼくは日本全体に1999年に向かってノストラダムスの大予言を代表とする終末観に、世界が終わるというより、何か文明的な大転換が起きるかもしれないな?というおかしな熱病にかかっていて、それを一因に宗教がらみの事件やサブカルチャーブームが起きていたのではないかと思うんですよ。

 

そう思うのは理由があって、1980年代から1990年代はテレビで心霊特集やノストラダムス特集が昼のワイドショーからゴールデンタイム、深夜までたくさん放送されていたんですよ。

 

当時は、現在よりも視聴率の信用度が高く、テレビの影響力が強い時代でした。

 

そんなテレビでオカルト番組がしょっちゅう流れていたことで、視聴者の潜在意識にオカルト的な恐怖感情がすり込まれていったはずです。

 

テレビ局が、ある事件を境に、そんなすり込みを認めるような規制をしだします。

 

オウム真理教による一連の事件以降、オカルト系番組の制作を自粛していったんですね。

 

現在は、視聴率が稼げるためか、ふたたびオカルト系番組が増えてきていますが、一時期、テレビから心霊特集が消えたのは、そんな理由があったんです。

 

 

カオスなエネルギーが最悪の方向で大爆発して、国民がある意味、正気にもどったのが1999年だったと思いませんか?

 

 

 

その一方で、2000年は、むしろ不健康な時代の始まりだったのではないでしょうか。

 

と、なんだか真面目なことを書いてしまいましたが、本書は飲食業に関わる人だけでなく、閉塞感を感じている人に読んでほしい、元プロレスラーだからこそ思いつくような生き残りの技が書かれています。

 

 

 

ミスター・デンジャーは立ち続ける

ミディアムレアステーキのイメージ

※これはデンジャーステーキではありません。

 

本書でご本人も書いていることですが、芸能人やスポーツ選手が飲食店を経営するというと、普通は厨房には立たずたまにお店に顔を出すくらいのオーナーになるようですね。

 

でも、松永さんは現在でも毎日厨房に立ち、ステーキを焼き続けています。

 

まだ選手だった頃から、ステーキ店で修行をしていたんですって。

 

本書では、オープン当時の想定外の出来事や失敗などがリアルに描かれています。

 

なんかね~、プロレスラーの本だと、こういう失敗談は豪快な武勇伝的に描かれることが多いんだけど、松永さんはきっと飲食店などを今後始めたいと思っているプロレスファン以外の人にもちゃんと参考になるように伝えようとしているんですよね。

 

だから、本書は最初から最後まで、経営の厳しさと同時に松永さんの優しさが伝わってくるんですよ。

 

しかも、元プロレスラーだからなのか、サービス精神とレスラーっぽい勇気の与え方っていうのかな?

 

そういう、プロレスを観ると出てくる元気みたいなものが、本書を読んでいても出てくるんですよね。

 

なによりも、松永さんが現在も毎日、厨房に立ってステーキを焼き続けているというのが、現役を引退したとはいえリングに立ち続けるレスラーのようでかっこいいじゃないですか?

 

しかも、それが松永さんとなると、「あ~、また新しいデスマッチを考えて試合してるんだ~。」みたいな感じもして、おもわずその試合を観に(ステーキを食べに)行きたくなりますね。

 

 

おわりに~カウント3を聞くまでは

デスマッチ葛西選手イメージ

 

監獄ステーキハウス ミスターデンジャーでは、メニューをやたらと増やさずステーキとハンバーグに絞り込んでいるんですって。

 

理由は本書で確認してほしいのですが、個人的にはこの絞り込みもプロレスラーっぽくて好きですね。

 

プロレスファンは、やっぱり好きな選手がフィニッシュ・ホールドで勝つところを見たいじゃないですか?

 

ぼくは長州力さんが好きで、宮古島まで試合を観に行ったことがありますが、やっぱりリキラリアットが観られただけでも大満足だったんですよね。

 

リキラリアットのイメージ

 

飲食店も、ファミレスではなくステーキ店やラーメン店に行くなら、そのお店の一番有名なフィニッシュ・メニュー、もしくはフェイバリット・メニューを食べたくて行くわけです。

 

と、部外者のぼくが勝手に語っていますが、松永さんがメニューを絞り込むと決めるまでにはそうとうな葛藤があったんだと思います。

 

そういうことも本書には書かれているので、ぜひ読んでほしいですが、カウント3を聞くまでは何度でも立ち上がってあの手この手を試しながら挑戦できるのが人生なんでしょうね。

 

2020年現在の世の中は、なかなか厳しいですよね。

 

心のどこかで生きる勇気を失いそうな人も、きっとたくさんいると思います。

 

それでも、時代にフォールされてもカウント2.9999で肩を上げれば試合は続けられるし、なんだったらセコンドが乱入してきて反則でもカウントが3にならなければいいんですよね。

 

本書を読みながら、そんなことが頭に浮かびました。

 

 

それにしても、デンジャーステーキは本当に安いな!

 

コロナが終息したら、絶対に食べに行こう。

 

 

 

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