近ごろは、ひとつジョーダンを言うにも気を使う世の中で、
なんだか息苦しいですなぁ。
なんでこんなに、粘着質な性格の人優位の世の中になってしまったんでしょうねぇ?
お酒なんてもう、付き合いの長い友人以外とは怖くて飲めないですよ。
MeTooの流行にしろ、LGBTにしろ、当初の当事者たちの目的からどんどん離れていって、いつの間にか該当者たちの望まない形で拡大解釈や商業と結びつけられた挙句、庶民が自由な意見を言い難くなる空気作りに使われるようになっていくわけですよ。
少ないお小遣いで一杯のビールをありがたくいただくくらいを楽しみに、ただ平凡に生きている私たちにとっては、ああ、ほんと、めんどくさいめんどくさい。
さて、現在の世相に似た昭和45年に出版された本がありました。
笑わせ屋入門
野坂相如(すけゆき)著
みんなにモテる人間
ユーモア頭脳のすすめ
とありますねえ。
野坂相如さんは、一昔前にテレビで大島渚さんと殴り合っている映像がよく流されていた、野坂昭如さんのお父さんで、官僚や人型県副知事をしていた人です。
昭和45年(1970年)
この年は、大阪万博が開催されためでたい年と思いきや、よど号ハイジャック事件という誰もが知る大事件も起きているんですね。
そんな衝撃的な事件で社会が揺れる中、流行していたのがウーマン・リブなんですよ。
ウーマン・リブが流行語になったにもかかわらず・・・
ウーマン・リブが流行語になるくらい、女性解放運動が真っ盛りだったのが昭和45年なわけですが、それと同時に流行語になったものがなかなかすごいんです。
鼻血ブー
鼻血ブーって言っている人、平成になってからはほとんどいなくなりましたけど、昭和の頃はテレビでも友達との会話でも「鼻血ブー」って普通に使われていた言葉ですよね。
まさか鼻血ブーが昭和45年の流行語だったなんてねえ。
でも、ファッションの流行を見ると、鼻血ブーが流行った理由がなんとなく見えてきますよ。
スケスケルック
ノーブラ旋風
さらに、ドリフのズンドコ節がヒット曲の2位ですから、昔のちょっとエッチなシーンがあったドリフコントが大流行していたのは間違いないですよね。
後ろから前からどうぞ?
そんな中で出版された笑わせ屋入門、野坂相如さんのすすめるユーモア頭脳も時代を感じさせます。
とにかく最初から最後まで、ワイ談と下ネタの嵐。
平成30年の現在に、この本を参考にして職場や飲み会の席でしゃべりまくったら、セクハラで訴えられること間違いなし!
なんて思ってしまう本です。
とういえ、ワニの本ってこの手のワイ談ジャンルを育て支えていたんですよね。
だから、本が好きな人間にとっては、笑わせ屋入門のようなジャンルの本は、近年出版される本にはない魅力を放っていて愛おしいわけですが。
ちなみに、野坂相如さんの著書歴に、土木建築構造力学というものがありますが、そんなお堅い研究書を書きながら、笑わせ屋入門も出版しているところにまた人間的な魅力を感じさせますね。