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[仕事文脈vol.12]社会人は、お金と信用について一度は必ず悩むよね。

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仕事文脈 vol.12

特集『お金文脈』

発行所:タバブックス

発行:2018年5月12日

 

先日の、円頓寺 本のさんぽみちでタバブックスが出店していたので、そこで見つけて購入しました。

 

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お金と仕事についての特集だったので手に取ったわけですが、現在、世の中の仕組みというか、価値観がどんどん変わっていっている中で、それでも多くの人がお金についてどこかで気を揉んで生きているわけです。

 

それは、ボクのような一匹オオカミ的にカウンセラーなどのお助け業をしている人や、ライターなどのクリエイティブ業をしているフリーランスだけが悩んでいるというわけではなく、正社員として働いているサラリーマンや、それを雇っている社長さんだって、お金のことが頭から離れない人はたくさんいます。

 

お金のことで悩んでいない人なんて、信用でいくらでも仕事は作れる、常に講演を依頼されるような、ホリエモンさんや西野さんのような、顔写真を見ていると大型エンジンがブイブイと鳴り響いているのが聴こえてくるような、いま旬の人くらいじゃないでしょうか?

 

 

いま旬な考え方

 

そんな『いま旬』な人が言うことといえば、

「信用を高めれるのが先。信用が高ければお金はついてくる」

的な話です。

 

それはものすごく正しい、とボクも思っています。

 

でも、その信用の中身はというと、その言葉が指す純粋な意味と一致しない部分があるような気がします。

 

いや、もしかしたら本当にそんな『気がする』だけなのかもしれませんけど。

 

たとえば、gooの辞書で検索するとこんな感じです。

https://dictionary.goo.ne.jp/jn/115845/meaning/m0u/

各自、読んでくださいね。

 

これが信用という言葉が本来持つ純粋な意味だとすると、最近の信用は『この人なら楽しませてくれる』というニュアンスが含まれているような『気がする』んです。

 

もちろん、これはオーディエンス的な一般ピーポーが『その人』を信用していると言ったときに含まれる期待や救いのことで、実際にお金を払いたい、応援したいと思って実際にアクションする人が心に持った信用は本来の意味どおりだと思うんですけどね。

 

また、実際に応援する人が『この人は面白いから応援しよう』と金銭面で支援する場合でも、やはり一般ピーポーとは求める見返りのレベルが違うんじゃないでしょうか。

 

 

という感じで、『信用』というものの性質を考えてみたのですが、この信用というやつを高めるのが簡単そうでなかなか上手くいかないから、けっきょくのところ、みんなお金のことで悩むわけです。

 

 

出店して気づいた2つのヒント

 

でも、1つ「これはヒントかもしれないな」という経験から考えた推測をお話ししたいんですよ。

 

それは、本のさんぽみちでの経験なのですが、出店が終わってから気づいたことが2つあるんですよ。

 

1つめは、

繰り返すことによってできる信用

初出店に近いボクの場所には、人だかりなんて一度もできませんでした。

 

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やっぱり経験を積んでいる人の並べ方は、棚ひとつ見てもカッコよくて、折畳みコンテナ2つを並べていただけのボクとは人の集まり方が段違いでした。

 

その姿からは、出店するたびに見せ方と品揃え、値段付けなどを工夫して、来場者に安心感をもってもらう『店としての信用』が見えました。

 

もちろん、何度も出店していると来場者の中には「あ、またあの人がお店出してる!」と何度も目にすることによってできた親近感を持つ人も出てくるでしょうね。

 

 

2つめは、

その人のキャラクターから持たれる信用
 

これはボク自身が経験したことです。

 

今回の出店では、心理系、ビジネス系、サブカル系など、いろいろなジャンルを織り交ぜて持って行ったんですよ。

 

その中で、一番売れたジャンルは河合隼雄さんなどが書いた心理系の読み物でした。

 

その理由はなんだったのか?

思い返してみたのですが、理由は簡単でした。

 

ボクがカウンセラーの立場として、本の説明をしたことなんです。

 

まず、カウンセラーが並べている本として、心理系の読み物は納得しやすいですよね。

 

なんというか、本を説明する人と本がマッチしている。

 

あと、社会人時代、コミュニケーション力をつけたいと思い勉強をし出してから、なんだかんだで一番読んだのがカウンセリング関連の本だったので、来場者が手に取った本がどんな気分の時に読むとちょうどいいか?など説明もすらすらできるわけですよ。

 

すると、何が起きるか?

 

100円や200円という価格ではなく、ボクがその本の内容に見合っていると思うそれなりの値段でも買ってもらえるんですね。

 

これって、『信用にお金を払っていただけた』ということじゃないですか?

 

 

それの価値はどこに?

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それ以外の考え方でも、『物の原価から見える価値』より、『物に内包された情報の価値』の方が高いと考える人も増えてきていますよね。

 

いちごの入ったショートケーキが1カット500円、シフォンケーキの中身はほとんど空気みたいなもの1カットに生クリームを挟んでも500円。

 

でも、ショートケーキじゃなくてシフォンケーキを選ぶ人がいる。

 

同じように、250ページで1500円の本、15ページで1500円のZINE。

 

やっぱりZINEを買う人がいる、という事実があるわけですよ。

 

 

これは、例えば、シフォンケーキなら使った小麦粉が無農薬とか、アレルギーの人でも食べられるように米粉を使っているなど、素材にこだわりがあるものに価値を感じる人がいます。

 

また、シフォンケーキを作った人が、それを作るようになった経緯に共感するというパターンもあるますね。

 

 

ZINEならば、以前紹介したコンドーム自販機の情報に特化したり、最近話題になったドライブインのZINEのようにドライブや旅先にある、ごくごく絞られた狭い分野の情報に特化すると、それが好きな同志には価値がありますよね。

 

 

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同志でなくても、その視点や偏愛に共感したり面白いと思った人が買ってくれることもあります。

 

そのような、素材や狭い世界へのこだわりへの共感も、広い意味では『信用』なのかもしれませんね。

 

 

信用の本当の価値は?

 

でもね~・・・

 

そうなんですよ。

たとえ好きなことに夢中になったとしても、誰もがそこまで『信用してもらえる』ところまでたどり着くわけではないんですよね。

 

『信用』まで行き着くには、ある部分、いやかなりの部分で『運の要素』が関わってくるんです。

 

でも、『運の要素』が多く関わってくるのは、『短期間で信用される』場合です。

 

『運の要素』は、実は時間をかけることでかなりの割合で下げられます。

 

それは、多くの人が納得できると思うのですが、会社で任された仕事に実直に向き合い続けた人は、どんな人でも10年後には周りから仕事のことで相談されるようになりますよね。

 

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ただ、その『信用の価値』が会社の中では想像以上に低いんですよね。

 

その影響が、会社の外の世界にも広がっているのが現在の日本社会だと思うんですよ。

 

その価値観は、戦後から義務教育にも織り込まれて広められた価値観と繋がっているので、実は一番ガチガチに根づいていて、変化し続ける世の中でも変わるのが一番遅いものなんだと、ボクは思っています。

 

その中で、会社の外の世界へ飛び出した人、最初から会社には入らないと決めた人にとって優しい社会に少しでも早く変えるためには、もしくは厳しい社会の中でも生き残るためには、まだまだお金について考えなければならないんですよね・・・

 

できることなら、みんなで知恵を出しあって支え合うのがいいんじゃないかな?

 

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ただし、みんなで支え合うにはそれぞれに『信用』が築けている必要があるのかもしれないですけどね・・・

 

この本を読んで、そんな『信用』のことを考えさせられました。

 

 

 

仕事文脈 vol.12

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