私は香川が好きです。
香川へ行って整った商店街をブラブラし、うどんを食べ、仏生山で温泉に入り、また街をブラブラする。
そして、気が向いたら船に乗り、瀬戸内海の島をブラブラ・・・
そんなのんびりが許されるような雰囲気が、香川にはあります。
本当にそんなゆるい生活が許されればいいのに。
人間はお金がなければ行きていけないなんて、いったい誰がそんなルールにしてしまっ・・・
話が逸れました。
里海資本論 日本社会は「共生の原理」で動く
著者:井上恭介 NHK「里海」取材班
発行:株式会社KADOKAWA
初版発行:2015年7月10日
瀬戸内イェーイ!!
この本の舞台は瀬戸内海です。
高度経済成長期に、生活排水などが流れて瀬戸内海が栄養過多になって赤潮が発生、つまりプランクトンが異常発生したんですね。
すると、酸素不足で魚が住めなくなっていくんです。
さらにその影響で、海は濁り太陽光が海底まで届かなくなると、今度は海藻の育ちが悪くなる。
熱帯魚を飼ったことがある人は、せっかく植えた水草がある日から段々と変色したり色が抜けていったりして、やがて腐っていくのを経験したことがあるのではないでしょうか?
この原因は、水温や水質が極端に変化して水草に合わなくなっていたことが多いです。
これが瀬戸内海全体で起きたと考えてください。
海から魚は消え、海藻は腐ってヘドロとなり、命を育めない死んだ海になってしまうわけです。
でも、思わぬ救世主が現れるんです。
それはなんと、牡蠣だったんです。
牡蠣はとんでもない濾過能力を持っていたんですって。
その牡蠣で、大量に発生したプランクトンを食べさせて水を浄化していくと同時に牡蠣を成長させ、やがては食品として出荷できちゃうなんて、なんてオイシイ環境保全方法なんでしょう!
また、牡蠣が海の中でつるし雛のようにぶら下げられているわけです。
そこは小魚にとって絶好の隠れ場所になりますよね。
水が綺麗になって、小魚が隠れられる場所もたくさんある海に、魚が戻ってこないわけがない!
この牡蠣と、漁師さんたちが植林ならぬ植藻を計画的に行ったおかげで、今やすっかり青く綺麗な瀬戸内海が復活してきたんですよ。
成果は海で繋がる世界へ広がる
この取り組みで得られた成果は、かつての瀬戸内海と同じ悩みを持っている世界中の海で参考にされだしているそうですよ。
日本は、極端な高度経済成長期があったおかげで、様々な問題を解決しなくてはならなかったのですが、環境の再生という面でも多くの事例を積み上げて世界に還元できるようになっているんですね。
日本の田舎は世界の最先端を走っている、という好例じゃないでしょうか?
それでも疑問は残り・・・
ただ、P.11の『都会も田舎もなくつながるボーダーレスな時代がやってきた』
という点については、私は疑問に思っています。
ここでは深く語りませんが、
そもそもどうして田舎から若者がいなくなったのか?
ということに社会が本音の部分で向き合えていないと思いませんか?
『北の国から』は、ドラマだから観ていられたけど、蛍と純が大人になってからの状況は現実でも起こりそうじゃない?
別に、田舎暮らしに反対してるんじゃないんですけどね。
なんとなく前のめりすぎてバランスが悪いな~、と感じているだけです。
個人的には、
里山、里海、どちらも人を再生できるポテンシャルがあるんじゃないか?
という部分で注目が集まってあるのではないかと思っています。
その機体を実現させるためには、10年スパンで中立な視点からデータを集めていくことが大事じゃないかな?