ストレイバード はぐれ鳥の止まり木

瀬戸市の読書コミュニティスペース ストレイバードの日記です。

あなたの足元だって、いつ底が抜けるかわからない。「貧困とセックス」

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貧困とセックス

イースト新書

著者

中村淳彦

鈴木大介

初版発行:2016年8月15日

  

 

この本を元に話をするのはリスクがあるなあ、と感じながら今書いています。

 

なぜなら、この本で指摘されているように、私自身も貧困層のことをリアルに感じられる場所で生きているわけではないからです。

 

たぶん、ブログを読んでいるほとんどの人も貧困を肌で感じられる場所にはいないはずです。

 

ただ、以前に紹介した「ホモ無職、家を買う」のところで書きましたけど、これから貧困に陥る人が増えてもおかしくない社会構造になっていく確率が極めて高いんですよね。

 

straybird.hatenablog.com

 

 

別のブログで書いたことがあるのですが、人工知能が実用化され、これまで人が行ってきた仕事の多くが機械やネットワーク上で自動化された場合に想像できる社会の姿を、ザックリと2パターンで妄想してみましょう。

 

 

1.ユートピアパターン

 

工場などの単純労働は全てロボットが行い、会計や業務上の手続きなども優秀な人工知能を搭載したコンピュータが処理してくれるようになり、生産性は大幅に上がっただけでなく無駄な在庫なども一切なくなり利益率が向上した。

 

ロボットによって生み出された富は、維持費を除き国民に分配される仕組みがあり、人の仕事は知的生産活動が中心になった。

 

 

2.ディストピアパターン

 

人工知能とロボットの権利は、これまでに富を手にしていた経営者層をふくむ権力者に握られ、労働者層の多くは解雇される。

 

もしくは、高いリース費でロボットを借り、そのロボットが生んだ利益で生活をする。利益といっても製造費などは自分に決める権利はなく会社が決めるため、月の収入は死なないギリギリの額に抑えられる。

 

 

 

内容は薄ぼんやりとしたもので申し訳ないですが、なんとなくイメージはできるのではないでしょうか?

 

で、どちらのパターンが実現しそうかというと、ディストピアパターンのほうじゃないですか?

 

そして、このディストピアが一部分でも実現した場合、

もろに影響を受けるのは40代だというところがヤバい。

 

おそらく、ですけど、50代以上は貯金持って田舎に引きこもればなんとか逃げ切れると思うんですよ。

 

バブル期の恩恵があった人がいる世代で、なんだかんだで貯金がそこそこあるから、それを食い潰すまでに生き残る作戦を練る時間がある。

 

20代以下は、国民年金の納付率が50%程度(本書籍中では20%と表記。データの読み方によって違いが出るらしいです)と、はなから国に期待していない世代です。

 

30代は、まだ体力的にも教育効果的にも、会社にとっては未来に投資する対象としてみてもらえる可能性が残っている。

 

それに比べて40代っていうのは、団塊ジュニア世代で人数は多いし、体力も落ちてきているし、それと同時に学習するための精神力も落ちてきていて頭が固くなってきているから、会社としては魅力的な投資対象じゃなくなっている。

 

そういう視点で世の中を見ると、この本で語られている貧困って、永久凍土だと思っていたのに、ふと足元を見たらいつのまにか薄くなっていた氷の下に存在する世界だって思えるんですよ。

 

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もちろん、ちゃんと調べて手続きさえできれば、日本はまだまだセーフティネットはしっかりしています。

 

とはいえ、そう簡単に氷を踏み抜かないように対策を考えておかなきゃいけないのは事実じゃない?

 

 

ちなみに、40代に比べ50代以上は逃げ切れるような書き方をしましたが、この本では中年童貞と介護現場の悲惨な状況についても語られています。

 

中村淳彦氏の中年童貞のルポに関しては、私はマンガ版しか読んでいないので新書版で語られているのかは知らないのですが、今回の本書中では「中年童貞の中にはもしかしてこういう人が含まれているんじゃないの?」と、カウンセリング経験のある人ならピンとくることが語られています。

 

また、国が積極的に介護現場を就職先として斡旋している人たちについても語られていますが、50代以上の人たちの中で私が逃げ切れると言っているのは、死ぬまで足腰丈夫で自分で日常生活が送れる人のことです。

 

健康に自信のない人は、この本を読むとガツンと絶望的な気分になると思いますよ。

 

 

というわけで、読書を積極的にする人で、この書籍で指す貧困に当てはまる人はほぼいないとは思いますが、この書籍で表現された「底が抜けた状態」を自分の身の上に当てはめて想像してみてはどうですか?

 

この本に出てくる貧困は、決して自分と無縁ではない話だと気づくことになるかもしれませんよ。

 

 

 

 

 

straybird.hatenablog.com

 

 

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