男を磨く
っていう表現は、子どもの頃からよく聞くワードでしたよね。
マンダムは、最近ではちょっとアバンギャルドなCMばかりですけど、1980年代の頃まではダンディーの代表じゃありませんでした?
マンダム CM (1970年) チャールズ・ブロンソン 男の世界
「う〜〜ん、マンダ〜ム」
いや、キング・カズがCMでダンディハウスの名を轟かすまでは、ダンディーの代名詞はマンダムだったはず!
(知識が乏しいだけで、根拠は全くありません)
男を磨くという意味も、忌野清志郎さんや沢田研二さんが現れ、一昔前にはシャズナのIZAMUさん、現在はりゅうちぇるさんのようなキャラまで現れ、男性の磨き方も千差万別となりましたねえ。
男を磨く169の作戦(カルテ) 戦略的男性おしゃれ入門
KK/ロングセラーズ
が出版された当時は、男性のおしゃれってどんなものだったんでしょうね。
昭和48年に初版発行とありますので、1973年発売ですね。
裏表紙をペラリとめくると、
「超えている男性おしゃれの本」
とあります。
ははっ、さっぱり意味がわかりません。
ただ、使用されている写真などを見ると、
ハードボイルド、ダンディー
というキーワードがぴったりとくる世界観をイメージしていたようです。
まさに、マンダムの世界観ですね。
それにしても、作戦の数は169!ですから、それはもう髪型の話から整形の話まで盛り沢山な内容です。
で、実際の内容はというと、現在当たり前になっていることながら、これって40年以上前から言われ続けているんだっていう発見のオンパレードです。
あと、世相を写している表現も多々あって、そんな文章を見つけるとワクワクしちゃいます。
たとえば、P.73の38 紫外線色黒法を教えよう
にでてくる表現が時代を感じていい。
ちなみに、紫外線色黒法というのは、いわゆる日サロで肌を焼く方法のことです。
って、説明しなくても字面でなんとなくわかるか。
40 男も口紅をつけろ
41 ボディ・シャンプーって知ってるかい
という見出しもイイねえ。
78 亀頭増大手術は慎重に
の次に
79 ひび、あかぎれはふだんの心がけで
と来る辺りは、話の高低差がすごい。
94 ネクタイと言わずクラヴァットと呼べ
131 「ジョニ黒」信仰を卒業せよ
ジョニ黒なんて、現在ではちょっとしたネタになるような表現ですね。
135 書物を酒の肴とせよ
これはいいこと言う!
と思いながら、未だ実現できていない私です。
やっぱり、お酒飲んじゃうと気は散漫になるし、文字に焦点合わなくなるし眠くなるしで、ページがさっぱり進みません。
まだまだ男が磨けてませんです・・・
1973年、見た目を気にする余裕もなくただがむしゃらに働いていた男たちが、経済が上向きになりお小遣いも増えてきたところで、自分に対してのお金の使い方を指南するため、露骨にいうなら「お金を自分のためにもっと使おう」という啓蒙のための書籍だったんじゃないでしょうか。