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働き方はさらに次のステージを考える時期に[ジエンドオブジョブズ僕たちの20年戦略]

未来人のイメージ

 

この本を読んだ理由は、今後の社会予測を書いてあると思ったからなんですよね。

 

タイトルを見て、これからの20年間で社会に起きる変化をどう考えてサバイブしていこう?ということを実際の統計データなどから分析して解説したものだと思っちゃったんですよ。

 

まあ、ある意味正解だったんだけど、でも、違ったな~。

 

 

 

 

THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略 (T's BUSINESS DESIGN)

ジエンドオブジョブズ僕たちの20年戦略

著者:テイラー・ピアソン

発行所:TAC株式会社

初版発行:2017年12月18日

 

 

 

本書の概要をざっくりと

 

この本の全体像をざっくりといってしまうと、

どうして、いま起業するのが正しいのか?

という根拠を色々な角度から語っているだけです。

 

だから、この本を読んでもこれからの生き方のヒントは何もつかめないと思います。

 

それと、起業するコツもつかめないと思います。

 

ただ、起業してから全然軌道に乗れず、

自分は間違っていたんじゃないかな?

自分は負け組なのかな?

 

と不安と後悔が頭をよぎる日々を送っている人にとっては、自分の決断はそれほど間違っちゃいないと、もう一度前を向いてもう一歩だけでも進んでみよう。

もうちょっともがいてみよう。

 

と思えるかもしれません。

 

って、それじゃあ何も救いはないか。

 

 

 

 

読んでも何も身につかない本

実のなっていない雪の中の枯れ木のイメージ



そう。

 

この本って実は、サラリーマンにも起業独立した人にも特別な知識は身につかないんですよね。

 

強いて言うなら、どの国でも雇用が保証される時代は終わっちゃった、という根拠と、そういう時代の働く姿勢について、成功した起業家の事例をもとに書かれているんです。

 

だから、いま時代の曲がり角で割りを食わされている世代の背景みたいなものを勉強したかったぼくとしては、この結論ありきでは現在苦しんでいる人の大多数は救われないだろう、という結論しか思い浮かびません

 

 

 

本書から考える働き方のヒント

 

ただ、それでは絶望しかないので、なにか発想が飛躍するひんとはないかな?

と考えながらサラサラっと読んでいたら、薄ぼんやりとですが思いつきました。

 

 

・みんな独立して連携する

仲間と一緒のイメージ

 

今後の働き方について書かれた本を読んだことがある方なら、何度か目にしたことがある人もいるかとは思いますが、働く人はみんな正社員ではなく、プロジェクトごとに会社と契約して働くという提案は、リーマンショック後あたりから見かけるようになりましたよね?

 

ぼくが言いたいのはそれとは少し違って、

独立したら一人で仕事をしなければならない。

という、ある部分悲観的な考え方はやめて、独立した人同士で集まって仕事をする。

という考え方です。

 

いうなれば、擬似的に会社組織を作ってそれなりの大きさの仕事をこなしていく。

 

会社のクラウド化?

 

ちょっと違うかな?

 

まあ、株式会社は作らないけど、会社組織の都合のいいところだけは独立してからも生かしながら働くのはどう?

 

ということです。

 

たぶん日本人の多くは、会社で営業マンだった人は営業の仕事以外は不安だろうし、製造の人は営業なんて未知の世界すぎて二の足を踏んでしまって、独立の一歩をなかなか踏み出せずに終わるんだと思うんですよ。

 

だったら、それぞれの経験者が集まって仕事を作れば、派遣社員より自由でやりがいがあって、さらに将来の不安を一人で抱え込まずに毎日を充実して過ごせるんじゃないかな?

 

というか、起業、独立って、日本ではドロップアウトのイメージがつきまとって、孤独になる覚悟を迫られすぎる気がします。

 

会社の中の世界では、受動的な人も、自分勝手な人でも仕事をするときには連携が生まれるようにできています。

 

それを、組織というのかもしれないですね。

 

そもそも、会社というものができた経緯は、一人で仕事をするより複数人で仕事をしたほうが機能しやすいからだったはずで、それは人類史の中で進んだ最適化のひとつじゃないでしょうか?

 

それなのに、日本では起業、独立となると個人プレーが当たり前のように思い込むんですよね。

 

でも、仕事の最適化のひとつが複数人での連携プレーだとしたら、実は起業した人こそ連携プレーの利点を活かすことこそ社会を有利にサバイブできるんじゃないかな?

 

 

 

本書を読むなら注意したほうがいい2つのこと

 

本書では、経済的なパラダイムシフトが起きた時代を4分割しています。

 

まあ、パラダイムシフトというとかっこいいですが、産業革命と言い直せばぼくたちにもピンときますよね?

 

細かいはなしはこの本を読んでみようと思っている方のために書きませんが、近年の金融経済を知的労働社会と呼ぶのを聞いたことはありますか?

 

著者はその時代を2000年までとしています。

 

そして、2001年以降を起業化の時代として説明しているのですが、そのまま受け入れるとちょっとまずいかな?と個人的に思ったので、その理由を残しておきます。

 

 

1.さらなるパラダイムシフト

タイムトンネルのイメージ

 

本書を読むと、世界中でボーダーレス化が進んでいること、会社での役割、仕事が想像以上にあっけなくソフトウェアに奪われてしまうことなどが説明されています。

 

ただ、本書の初版発行は2017年で、本書でも語られている10年ごとに起きるパラダイムシフトというのが2020年現在ではさらに大きく起きているんです。

 

つまり、2017年、もしかすると原書は2015年か2016年に出版されたのかもしれませんが、その当時に著者が感じたパラダイムシフトが、周期をはやめてさらに大きく動き始めていると思ってください。

 

というのも、アメリカの超有名な経済学者が、とんでもない懺悔を始めているんですよ。

 

グローバル化の弊害を見落とし、トランプ台頭を招いた経済学者のいまさらの懺悔 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

 

2020年1月初頭、アメリカはまた戦争で経済を活性化させようとしているようにも見えますよね?

 

このような環境下で起きているパラダイムシフトって、現在アメリカが急激に進めている国内回帰の流れと強振すると、どのような社会に変化していくのかがよくわかりません。

 

もしかすると、一時的にせよ、会社で働く人を対象にした手厚い保護で起業した人たちの仕事が奪われる可能性もあります。

 

まあ、あくまでも一時的にですけど。

 

 

 

2.知識の多い人の価値は下がらない

聖徳太子的な顔のイメージ

 

近年、日本でもググればなんでも調べられるからと言って、勉強なんて必要ないと本気で思っている人が増えているようです。

 

それはさすがに間違いですよね。

 

むしろ、知識の習得は価値が上がるはずです。

 

たしかに、これまでの社会では大学へ進学することを含め、働くために勉強をするのが当たり前でした。

 

一方で、現在は労働の多くの部分がソフトウェアに置き換わったので、高度な知識は習得しなくても働けます。

 

製図を描く上で細かい計算はソフトウェアがやってくれるので、PCがあればある程度は直感で図面を描けてしまったり、会議資料もエクセルがあればグラフは一発で表示できてしまいます。

 

そんなイメージです。

 

でも、だからこそ、これからの知識は、お金を稼ぐのとは関係なく個人の興味で習得するものになっていくはずです。

 

大学なんて、最先端の研究分野ですら人生の満足感を得るために行く場所になります。

 

それってすごいことで、好きだから研究する人だけの世界になると、義務感がないので本当に新しいものが生まれる可能性が高くなります。

 

そんな大げさな話ではなくても、知識がないと嘘と本当が見抜けなくなります。

 

それは、マスメディアを使える人たちに都合よく誘導されやすくなるということです。

 

  

 

まとめとして

コーヒーブレイクのイメージ

 

本書を読むと、会社でずっと働ける環境が消えつつあるのは日本だけではなく、世界中で起きているという事実を知ることができるでしょう。

 

本書は、その対策として起業を勧めているわけですが、本書を読んでも起業方法が身につくわけではなく、あくまでも世界の潮流を知ることができる止まりです。

 

起業や独立を考えているなら、ほかの本を読んだ方がいいと思います。

 

でも、世界の潮流をまず走りたいのなら本書はオススメです。

 

日本も近い将来、同じ潮流になって行くのですから。

 

 

 

 

THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略 (T's BUSINESS DESIGN)

THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略 (T's BUSINESS DESIGN)

 

 

 

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