ストレイバード はぐれ鳥の止まり木

瀬戸市の読書コミュニティスペース ストレイバードの日記です。

AV女優に対する偏見は日本社会の縮図じゃない?[AV女優、のち]

コンプライアンスに厳しい現在ですが、なるべく多くの人にフラットな目線で読んで欲しい一冊です。

 

 

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AV女優、のち

著者:安田理央

発行:KADOKAWA

初版発行:2018年6月10日

 

この本は、現在は引退しているセクシータレント、いわゆるAV女優だった人たちのその後を綴ったものです。

 

女優さんごとのオムニバスになっているのですが、登場するのは、

みひろ

笠木忍

麻美ゆま

愛奏

長谷川瞳

泉麻那

真咲南朋

(敬称略)の7人です。

 

個人的には、みひろさんはゴットタンのキス我慢選手権の人、麻美ゆまさんは恵比寿マスカッツで明るく歌の上手かった人のイメージで、AV女優として記憶にあるのは笠木忍さんくらいかな。

 

あとの4人の方たちは、正直全く知りませんでした。

 

この、たぶんAV女優としてはかなり有名だった愛奏さん、長谷川瞳さん、泉麻那さん、真咲南朋さんを知らないのに笠木忍さんは知っているところに、私のヤバさを感じますね(^_^;)

 

理由は実は簡単で、私は昔から古本屋へ行くのが好きだったのですが、笠木忍さんの作品は20年くらい前の古本屋でよく見かけたからなんですよね。

 

あと、個人的にAVってカンパニー松尾監督のロードムービーのような作品が好きだったんで、女優さんでは選んでなかったんですよね。

 

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とまあ、DTバリの言い訳はこのくらいにしておいて。

 

 

この本を読む上でまず知っておきたいのは、AV女優の人数です。

 

現在、プロダクションなどに登録されている人数は6000~8000人だそうです。

 

正直言って、そんなに多いの⁉︎という印象じゃないですか?

 

実際の問題として、その中で仕事がもらえている人数は3割程度らしいのですが、登録人数わ8000人で計算しても2400人もいるなんて、ちょっと信じられません。

 

おそらく、素人ナンパ物などで1回だけ出演した、温泉旅館などのシチュエーション物で奥の方に少し写っている人、なんていうパターンの女優さんが2400人に含まれるのでしょうね。

 

だって、単体で毎月のように新作を出せる人なんて、100人もいないでしょ?

 

そんな、単体で毎月のように新作を出せるスター女優が、平均5年程度仕事をして引退していくのでしょうが、そんな100本以上の出演作があるようなスター女優でも、ほとんどの人は引退後は普通の生活に戻って普通に暮らしたいからインタビューを拒否するんでしょうね。

 

そんな中で、本書で名前を出してインタビューを受けた7人はきっと超レアな存在です。

 

実際、インタビューを受けた人は笠木忍さん以外は一般の映画に出る俳優に転身していたり、テレビタレントとして活躍していたり、自分が撮る側の監督になっています。

 

 

そんな中、以前どこかの番組にみひろさんが出演した時、番組に出演が決まっていたけど、ある男性タレントがタレントイメージの問題で共演を拒否し、結局みひろさんは出演できなかったという話をしていました。

 

これほどわかりやすく、社会の壁が見える瞬間というのも珍しいんじゃないですか?

 

 

蛇足かもしれませんが、

そもそも『人前で裸になってセックスで稼いだ』からと侮蔑する前に、その影には彼女たちを使ってもっと儲けた人間がいるんだということに冷静になって気づくべきじゃないでしょうか?

 

一般的な企業にも当てはまりますが、日本の社会はそれまで頑張ってきた人に対して冷たすぎますよ。

 

 

デビューした様々な動機

 

この7人のデビューした動機だけでも、噂に聞くようなパターンを含め本当に様々です。

 

中には、「それって詐欺じゃないの?」と思うような恐ろしい気持ちになるものもありますが、それでもそれをただマイナスにするのではなく、未来につなげている姿は尊敬します。

 

逆に言えば、やはり騙されたも同然でデビューしたタイプの女優さんやお金のためだけでデビューしたような女優さんのほとんどは、引退後はひっそりと暮らしていたいと思うでしょうね。

 

これも噂で聞く話ですが、引退すると整形で顔を変えたり、出演時に整形していた顔を元に戻したりして、AVに出ていたことがバレないようにするというのも、引退後のリスクを想像するとただの噂とは思えないですね。

 

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でもさあ、いわゆる一般社会の差別的な反応、少数派を見下した排他的な態度は程度の差はあれど、会社組織の中を含めた日常的な世界にもありますよね。

 

会社で研究開発をしている人の中には、「俺たちが稼いだ金で儲けにならないことばかりしやがって。」的なことを言われた経験のある人、いるんじゃないですか?

 

あと、会社を辞めた途端、社会的な信用が低くなるというのも、その人がどれだけ役に立つ能力を持っているか、約束を守る人かどうか、などの部分は一切無視して人間を鉛筆程度の道具くらいにしか見られなくなっている、心を失ってしまった、人間の中の心があった部分をお金に奪われてしまった社会の悲しい姿のような気がしませんか?

 

 

あ、さすがに話が脱線しすぎたか。

 

 

現在の彼女たちが見せてくれているもの

 

とにかく、この7人の現在の姿を読むと、正直、こんなに強く立ち続けられる人ばかりではないと思うんですよ。

 

なんというか、一般の人と同じ道路を歩いているはずなのに、彼女たちの歩く部分だけ大きな石が転がっていたり、いかにも躓きそうな穴が空いている感じがするじゃないですか。

 

でも、その時々の『今』にしっかりと向き合いながら、つまずいて多少ヒザを擦りむいても立ち上がって一歩一歩前へ進み続ける姿を、本人たちは見せるつもりもなく見せてくれているんですよね。

 

それは、キラキラしたところだけをやたらと強調して見せようとするモデルやタレントとは明らかに違い、見る人から偏見さえ取り除ければ、社会人にとっては共感できて見習おうと思える姿じゃないでしょうか。

 

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魚が消えた瀬戸内海を生き返らせた救世主とは![里海資本論]

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私は香川が好きです。

香川へ行って整った商店街をブラブラし、うどんを食べ、仏生山で温泉に入り、また街をブラブラする。

 

そして、気が向いたら船に乗り、瀬戸内海の島をブラブラ・・・

 

そんなのんびりが許されるような雰囲気が、香川にはあります。

 

本当にそんなゆるい生活が許されればいいのに。

 

人間はお金がなければ行きていけないなんて、いったい誰がそんなルールにしてしまっ・・・

 

話が逸れました。

 

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里海資本論 日本社会は「共生の原理」で動く

著者:井上恭介 NHK「里海」取材班

発行:株式会社KADOKAWA

初版発行:2015年7月10日

 

 

瀬戸内イェーイ!!

この本の舞台は瀬戸内海です。

 

高度経済成長期に、生活排水などが流れて瀬戸内海が栄養過多になって赤潮が発生、つまりプランクトンが異常発生したんですね。

 

すると、酸素不足で魚が住めなくなっていくんです。

 

さらにその影響で、海は濁り太陽光が海底まで届かなくなると、今度は海藻の育ちが悪くなる。

 

熱帯魚を飼ったことがある人は、せっかく植えた水草がある日から段々と変色したり色が抜けていったりして、やがて腐っていくのを経験したことがあるのではないでしょうか?

 

この原因は、水温や水質が極端に変化して水草に合わなくなっていたことが多いです。

 

これが瀬戸内海全体で起きたと考えてください。

 

海から魚は消え、海藻は腐ってヘドロとなり、命を育めない死んだ海になってしまうわけです。

 

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でも、思わぬ救世主が現れるんです。

 

それはなんと、牡蠣だったんです。

牡蠣はとんでもない濾過能力を持っていたんですって。

 

その牡蠣で、大量に発生したプランクトンを食べさせて水を浄化していくと同時に牡蠣を成長させ、やがては食品として出荷できちゃうなんて、なんてオイシイ環境保全方法なんでしょう!

 

また、牡蠣が海の中でつるし雛のようにぶら下げられているわけです。

そこは小魚にとって絶好の隠れ場所になりますよね。

 

水が綺麗になって、小魚が隠れられる場所もたくさんある海に、魚が戻ってこないわけがない!

 

この牡蠣と、漁師さんたちが植林ならぬ植藻を計画的に行ったおかげで、今やすっかり青く綺麗な瀬戸内海が復活してきたんですよ。

 

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成果は海で繋がる世界へ広がる

この取り組みで得られた成果は、かつての瀬戸内海と同じ悩みを持っている世界中の海で参考にされだしているそうですよ。

 

 

日本は、極端な高度経済成長期があったおかげで、様々な問題を解決しなくてはならなかったのですが、環境の再生という面でも多くの事例を積み上げて世界に還元できるようになっているんですね。

 

日本の田舎は世界の最先端を走っている、という好例じゃないでしょうか?

 

 

それでも疑問は残り・・・

ただ、P.11の『都会も田舎もなくつながるボーダーレスな時代がやってきた』

という点については、私は疑問に思っています。

 

ここでは深く語りませんが、

そもそもどうして田舎から若者がいなくなったのか?

ということに社会が本音の部分で向き合えていないと思いませんか?

 

北の国から』は、ドラマだから観ていられたけど、蛍と純が大人になってからの状況は現実でも起こりそうじゃない?

 

 

別に、田舎暮らしに反対してるんじゃないんですけどね。

なんとなく前のめりすぎてバランスが悪いな~、と感じているだけです。

 

個人的には、 

里山、里海、どちらも人を再生できるポテンシャルがあるんじゃないか?

という部分で注目が集まってあるのではないかと思っています。

 

その機体を実現させるためには、10年スパンで中立な視点からデータを集めていくことが大事じゃないかな?

 

 

 

 

 

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成り立ちが日本唯一な村の歴史本[ちろりん村顛末記]

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ちろりん村

そんな村があることを知っている人は、相当な風俗マニアかディープなサブカルチャー好きじゃないでしょうか?

 

 

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ちろりん村顛末記

著者:広岡敬一

発行所:筑摩書房

初版発行:2016年5月10日

 

この本は、1984年2月に朝日文庫から発行されましたが、2016年に改めてちくま文庫から発行されたものです。

 

 

さて、本書は[トルコロジー トルコ風呂専門記者の報告]の著者でもある広岡敬一氏の、現在、一般書店で手に入る唯一のものではないでしょうか?

 

トルコロジーでも語られていた、滋賀県雄琴に現在もあるソープ街『ちろりん村』飲みに焦点を絞り、その村ができた顛末と発展の歴史、そこで働く店長や女性たちのルポルタージュがまとめられています。

 

 

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著者、広岡敬一とは?

 

まずは広岡敬一氏の経歴からお話ししたいところです。

 

広岡氏は戦時中に陸軍航空隊に所属し、写真部員として特攻隊員の写真などを撮っていたようなんですね。

 

終戦後は日本に送還されるものの、日本人とはいえ生まれが中国であったため身内もいないに等しく、闇市で生計を立てていたものの、戦後の社会が安定して物資が行き渡り出すと闇商売も成り立たなくなったそうです。

 

それで、どうしたものかとしばらく吉原をウロウロしていると、流しの写真家に遭遇。

 

写真部員をしていた著者は、その流しの写真家から商売方法を教えてもらい、吉原の花魁から声をかけられると写真を撮って後日納品するということをしていたんですって。

 

その後、雑誌記者になり、吉原での経験を生かし風俗専門の記者として有名になっていったそうです。

 

 

特殊な成り立ちの『ちろりん村』

 

まあ、なぜ雄琴がちろりん村と呼ばれるようになったかは、諸説あって著者でもよくわからないようですが、本書には一応理由が書いてあります。

 

トルコロジーと本書を読んで興味深かったのは、雄琴という風俗街の特殊性です。

 

吉原や中村大門などの比較的大きな風俗街の多くは、旧赤線地帯、いわゆる遊廓があった場所がそのまま新たな法律に沿った形で存続してきたのですが、雄琴については昭和になってから、それも昭和46年という戦後の混乱はとうの昔に終わり、好景気の波が押し寄せてきていた頃に田んぼしかなかった琵琶湖のほとりに忽然と現れた風俗しか存在しない村なんです。

 

つまり、過去に遊廓とは縁もゆかりもなかった場所にできた風俗街なんですよ。

 

 

本当にカエルくらいしかいなかった田んぼの中に、田守世四郎という人が派手な洋館風のトルコ風呂を建てたのが始まり。

 

そんな、「車じゃないと行けないような場所に建てたって、すぐ潰れるのがオチだ」と思われていたのに、オープン初日から車の列が途切れず、女性従業員は「死んでしまう!」と逃げ出すほどの大繁盛。

 

それを見た他のオーナーたちは、大焦りで競争開始!

 

年末にはお店が7軒も増えたんですって。

 

想像したら、衝撃的じゃないですか?

 

見渡す限り田んぼしかなかった場所に、1年もしないうちに8軒ものド派手な建物が立ち並んだんですよ?

 

2年後には、29軒になっていたんですって。

 

「田舎に29軒も?」と驚くのはまだ早いですよ。

 

ちろりん村と呼ばれた由縁は、そこで働く人たちのためのアパートから飲食店まで立ち並び、24時間365日、ちろりん村で暮らせるように整備されていったからなんです。

 

まさに、風俗が主産業の村がそこにできたんですね。

 

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他にも、相乗効果でちろりん村が大繁盛した理由が色々とあるのですが、それは本書を読んでくださいね。

 

ちなみに、村が大繁盛していた頃の呼び込みたちが特攻隊と呼ばれていた逸話は、本当に衝撃的ですよ。

 

 

この本が価値あるなーと思うところ

 

さて、この本が素晴らしいと思うところは、風俗街の成り立ちが書かれた資料としては信頼度が高いところです。

 

なにせ、戦後の雑誌記者が現地に入りこみ、自分の目で村の盛衰を見ながら現地の人たちに取材をしたものですからね。

 

それに比べると、吉原についての資料本も結構な数が出版されていますけど、江戸期のような昔に関してはジャーナリストが現地取材したような資料はないですよね。

 

おそらく、現代まで残っていた評伝や当時の小説のようなもの、よくて大きな遊廓の主人や町のボスみたいな人が書かせた、雇い主に都合のいい書き方をした本ではないでしょうか?

 

それ以外の地方にあった遊廓に関しては、せいぜい地図が残っている程度じゃないかな。

 

名古屋の中村遊廓だって、戦後の街の様子については運がいいとまだ話してくれる人がギリギリいますし、『聞書き遊廓成駒屋』という民俗学者が取材した本が出版されていますけど、大正以前となるとやぱり地図で確認できる程度で、もうわからないことだらけだと思います。

 

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古民家とか遊廓跡を巡るのが好きな人はわかるかと思うのですが、学校で習う歴史は何も感じないというか、その下で生きていたはずのたくさんの庶民の血の通った跡が感じられないんですよね。

 

 

そんなことを言うと、ちろりん村は歴史の教科書では現代の最終ページに近い場所にできた、せいぜい昭和レトロ程度の新しい村なので対象外なのですが、現在も消滅することなくひっそりと存在し続ける日本唯一のオカルトのようなその村は、不思議な魅力を放つのでした。

 

 

 

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現在も色褪せないユーモアと風刺[虫類図譜(全)]

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大人になるというのはある意味、臆病になるということなんですよね~。

 

なんだかんだと言い訳したり、上から目線で否定したりするけど、それって心のどこかで臆病なところを隠している表現だったりするんですよね。

 

その人自身、そんな感情に気づいていなかったりするんですけど。

 

 

さて、今回紹介する本はこちらです。

 

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虫類図譜(全)

著者:辻まこと

発行所:筑摩書房

初版発行:1996年12月5日

 

 

初版が1996年となっていますが、元々は芳賀書店から1964年7月に刊行されていて、筑摩書房版は1964年に刊行された際には未収録だったものを追加し完全版として刊行されたものです。

 

 

虫類図譜とは、1954年から歴程という現代詩の同人雑誌で連載されたカリカチュア、いわゆる風刺絵シリーズです。

 

辻まことが当時、世間で流行っていた言葉から想像上の昆虫を描き、その言葉の本質を突いて世相を切ったり、皮肉ったりした解説が書かれています。

 

イメージでいうと、昔話題になった『悪魔の辞典』みたいな感じかな。

 

昆虫の絵と文章を読んでいると、日本にこんな感性を持った人がいたんだと、ちょっと驚きます。

 

これはやっぱり、パリで過ごした時間の中で身につけたものなのかなあ。

 

絵も文章も洒落ているんですよね。

 

 

さて、辻まこと氏が辻潤伊藤野枝の子ということを知っている方もいるかと思います。

 

以前紹介した『すぎゆくアダモ』を読んでいると、穏やかな目線で生きる素晴らしさを語る人というイメージだったんですけど、この本を読むと「あー、やっぱり両親の血を引いているんだな」と文面から激しさを感じます。

 

でも、ただ激しいのではなくて、辻潤ダダイズム的な姿勢と伊藤野枝という衝動と社会に向けた激情の姿が第一形態から、それらを受け継ぎながらも洗練されて中道的で理知的な姿の第二形態に進化している感じといえば伝わるのかなあ。

 

ファーストガンダムからZガンダムになったみたいな?

 

いや、ファーストガンダムからνガンダムになって、ビームサーベルビームライフルで攻撃するよりフィンファンネルで攻撃する、みたいな?

 

 

違う?

 

 

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ただね、

 

『衝動』

 

の項目を読むと、辻まこと氏が人間にとって最も重要なもの、忘れてはいけない大切なものが『すぎゆくアダモ』のテーマにもしっかりと含まれているんだということに気づきました。

 

すぎゆくアダモも、『衝動』で旅を続けていくんですよね。

 

この衝動というやつは、実は子供の頃は行動の原動力で、日々発動しまくるものなのですが、月日が経ち大人にななるにつれて発動しにくくなっていくんですよね。

 

衝動に鈍感になるといったほうが、イメージにぴったりかな?

 

 

あと、『前衛派』という言葉もありますが、

 

前衛派は前衛ではない。後衛である。

 

だなんて、読むと「ハッ!!」っとさせられませんか?

 

 

『派』とつくだけで、それはもうすでに先頭には立っていないだなんて。

 

また、『派』というくくりに入った途端、『衝動』が失われていくように感じませんか?

 

 

他の言葉に『嫉妬』『愛国』『防衛』『習慣』『メソード(メソッド)』などありますが、どれも大人という衝動を失った鈍感な姿勢がすけて見えてきます。

 

 

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個人的には、節目ことに取り出してペラペラとめくりたい本になりました。

 

どの項目も、今の時代に照らし合わせても色あせていないから、開いたページに描かれた昆虫と言葉を読むと、

 

現在、自分がバランスを欠いていないか?

 

世の中を偏った目で見て、かえって大切なことが見えなくなっていないか?

 

と自分に問うための間を置くことができるんです。

 

それってまさに、カリカチュアの本領発揮といった感じじゃないですか?

 

 

 

 

 

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オススメの1冊!あなたは何に応用する?[コアチョコ流Tシャツブランドの作り方]

誰だって、右ならえ右したくない人だって、会社に依存しなくたって、人間関係が苦手な人だって、当たり前の生活ができる方法があったっていいじゃんよ〜〜〜〜!!

 

ねえ?

そうは思いません?

 

時代は大きく変わってきているはずなんですけど、人の中に飢えへの恐怖がある限り、その恩恵を誰でも享受できるまでにはまだ時間がかかるのかなあ。

 

 

って、みんなが当たり前の生活ができる方法の答えが、ズバリこれだ!!

というわけではないんですけど、今回紹介する本は、何人かで一緒にそんな方法を考え試すのなら持っていたい一冊じゃないでしょうか。

 

 

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コアチョコ流Tシャツブランドの作り方

初版発行:2018年5月12日

著者:MUNE

構成:カトウカジカ

発行所:株式会社 鉄人社

 

 

うん、帯に書いてある通り確かに

シルクスクリーンの基礎

デザインのコツ

プリント業者の選択

販売方法

イベント企画

SNS活用術

 

すべて網羅されてますね。

 

でも、本屋の起業コーナーによくある開業ノウハウの本とは明らかに違う光り方をしている!

 

っていうものの、この表紙を見れば、「こんな尖った表紙を見ればそんなことわかるよ。」なんてあなたは言うかもしれない。

 

でも、この本は実際に手に取って目を通さなきゃ伝わらない、他の開業ノウハウ本にはない『雑木の強さ』みたいなものを感じるんですよ。

 

それが、「なんとか生きていかなきゃ」と会社の外に活路を見出したい人にとって頼もしさを感じる根を張った強さなんです。

 

超メジャー出版社が出すようなサラリとした開業ノウハウ本は、マーケティングノウハウなどを含めて全て教えているようで、その実、内容がプロフェッショナルすぎて真似できそうでなかなかできない。

 

だからなのか、読んでいるとある意味ものすごく突き放された気分になるものが多い。

 

 

なんとか生きていかなきゃと思いつめた人には、コンサルティングのプロが書いた成功例の集大成より、ゲリラ的に転がり続けている現在進行形のノウハウのほうが役に立つし、信用できる。

 

少なくとも勇気をもらえる。

 

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個人的に「信用できる本だな」と感じたのは、著者が会おうと思えば会いに行ける人だからというところにあります。

 

著者はTシャツデザイナーをしながら東中野でバーを経営してお店に出ているんですって。

 

だから、この本を読んで興味を持ったら、東中野に行けばいいんですよ。

 

本の中の対談でもMUNE氏が、

「ノウハウを無料で教えたくない。バーに来てくれたら。」

って語っているところが、ますますいいじゃないですか?

 

やっぱり、作戦会議は酒場がよく似合うんですよ。

 

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ちなみにこの本、Tシャツで開業するためのノウハウが書いてあるのは事実ですが、「自分はTシャツを売りたいわけではないし、デザインなんてできないし・・・」と思って手に取らないのはもったいないですよ。

 

上述したように、この本は『なんとか生きていかなきゃ』と日々考えている人にとって、アイディアのヒントと勇気をもらえる数少ない1冊です。

 

すくなくとも、ものを売るのってサラリーマンが考えているよりハードル高くないことを感じられるはずです。

 

 

個人的には、この本を手にしたのが中野ブロードウェイだったのに、読んだのは名古屋に帰って来てからで、気持ちが高ぶった勢いで東中野に行けなかったのは残念でした。

 

なんで買ってすぐに読まなかったんだ!

俺のバカ!ばか!

 

 

 

 

 

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おそらく日本で最初に出版されたストリップの特集[世界裸か美画報11月増刊]

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ストリップ・・・・・

 

なんとも怪しい響きの言葉。

 

名古屋では全ての小屋が閉店して久しいですが、それは全国的に見ても同じで、衰退の一途をたどるのみの文化でございますなあ。。。。。

 

 

さて、今回紹介する本はこちら。

 

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世界裸か美画報 11月増刊

発行:昭和35年11月10日

発行所:季節風書店

 

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裏表紙 

 

『おそらく日本で最初に出版されたストリップの特集』

という文句はこの本の中に書いてあったのですが、たしかに全身写真の載ったストリップ嬢の一覧や、各地域の演題と舞台の模様が写真で解説されている本ですから、当時どころか現在でもそんな珍しいストリップ解説本は出版されていないんじゃないでしょうか?

 

 

この本によると、発行した昭和35年は赤線が廃止されて2年経つとのことで、規制が比較的厳しい時期だったようです。

 

というのも、解説を読む限りでは舞台で全裸になることが禁止で、基本的には台本がしっかりと作られた大衆演劇のような体で行われていて、その台本も内容に露骨なワイセツシーンが描かれていると警察に逮捕されちゃうような環境だったようなんです。

 

ですから、一昔前の深夜番組「トゥナイト2」の山本晋也監督のコーナーで流れていたような、踊りながら脱ぐというより、演劇の中のエロいシーンを楽しむようなものだったようです。

 

あとは、戦後から始まったストリップの原型である、水浴びや入浴覗きショーがまだまだ現役で行われていたようです。

 

演目は、コントのようなものから、残酷ショーと称して裸の女性を水車にくくりつけてぐるぐる回すシーンのある物語なんかもあったようですね。

 

水車にくくりつけてぐるぐる回すやつって、お笑い横断ウルトラクイズとかでダチョウ倶楽部とかたけし軍団がやってたの見たことないですか?

 

 

いやはや、お笑い芸人の罰ゲームや深夜番組のお色気コーナーのシステムや装置がストリップ小屋発祥だったというのは、なかなか興味深くないですか?

 

 

他にも警察の取り締まりが厳しかった状況を物語る写真がありましてね。

 

ストリップ劇場に女子大生を招待して、

ストリップは芸術的で明るいものなんですよ~。

とアピールすることで社会的に認められようと苦心していたようです。

 

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改めて、ストリップはいつから始まったの?

 

この本によると、戦後初のストリップショーは、

昭和22年の正月に新宿の帝都座で上演された

『ヴィーナス誕生』

という額縁ショーだったそうです。

 

甲斐美和という女性が、胸を出して額縁を持って立っているだけでしたが、綺麗な女性の裸が見られると評判になったそうです。

 

ちなみに、このショーを企画したのは、七世松本幸四郎の甥である秦豊吉という人だそうです。

 

このショーから4年後の昭和26年がストリップの最も盛り上がった時代だそうで、いわゆる行水ショーなどが大盛況だったんですって。

 

時代を感じるレトロな表現の数々・・・

 

まずはこの写真からどうぞ。

 

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このダンサーの説明がいい感じです。

 

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身長と体重の表記方法が、

 

5尺4寸5分、14貫8百

 

ですって。

 

う〜〜ん、現代に変換するとどうなるんだろ?

 

まず、5尺4寸5分。

これ、誤表記じゃないかな?

センチに変換すると、207cmとなったんですけど。。。。。

 

規格が違うのかな?

 

14貫8百については、8百の意味がわからなかったのですが、14貫については52.5キロですから、女性の体重としては納得できますよね。

 

207cm、53kgのダンサー?

嘘でしょ・・・・

 

 

次は、グラビア写真をどうぞ!

 

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・・・・・写真、というより絵ですね。

 

当時の印刷技術を考えれば、どうしてもベタッとした表現になってしまうんですよ。

 

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ダッコシスターズでした〜。

 

 

ちなみに、通常の11月号グラビアは、女プロレスだったそうです。

 

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現在の女子プロレスとは別物のようですね。

 

どちらかといえば、キャットファイトの源流なんじゃないでしょうか。

 

キャットファイト組織Cat Panic Entertainment (Catfight CPE)公式HP

 

 

この他にも、日本全国のストリッパー80人を前進写真付きで紹介したコーナーもあって、当時の女性の顔や髪型、プロポーションが確認できて面白いです。

 

 

他に楽しみなのは・・・

 

昔の雑誌で、思わずワクワクしちゃうのは広告じゃないですか?

 

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日本最初の性科学専門雑誌ですって。

 

細かい部分を読んでみると、この画像ではわかりにくいですが、

 

厚生省版 家族計画・図解

文部省版 性と純潔・図解

 

と書いてあります。

 

どんな図解なんでしょうね?

面白そうですねえ。

 

 

 

という感じで紹介してきましたが、中身を読んでいると、

 

『あのケダモノのような戦争が終わって・・・・』

 

というような表現が使われていたりして、世の中にまだまだ戦争の爪痕が残っているのを感じつつも、終戦から15年でようやく混乱方立ち直ってきたんだな、という時代の空気も感じる雑誌でした。

 

こういう歴史を感じる本はなかなか表に出る機会もなく、ひっそりと消えて行くものがほとんどだと思います。

 

だから、出会った時にはなるべく救出しておきたいジャンルのひとつです。

 

 

 

 

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琉球の植物で運気倍増ガーデニング![沖縄の庭を見直そう 琉球ガーデンBOOK]

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沖縄、いいですよね~~。

 

本土の人間がこんなことを言うとウチナーンチュから白い目で見られるかもしれないけど、沖縄にいると時間がゆったりと流れている感覚がして、心が落ち着く気がするんですよね。

 

普段、周囲に注意を払い続けて萎縮している心が、本来の姿に戻って行くような感じかなあ。

 

普段、ボケとツッコミの機会を抜け目なくねらい続けるお笑い芸人が、休みになるとしょっちゅう沖縄に行くと言う理由がわかる気がします。

 

そんな人の心を解放するような風土は、海と風とともに沖縄で愛されている植物たちが作り出しているのではないでしょうか。

 

 

さて、今日紹介する本はこちらです。

 

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沖縄の庭を見直そう 琉球ガーデンBOOK

発行:ボーダーインク

著者:比嘉淳子 文

   飯塚みどり 写真

初版発行:2005年4月30日

 

 

沖縄には独自の出版文化があって、本好きな私は沖縄へ行くとついつい本を買い込んでしまします。

 

この本が「わーー、沖縄本だーー!」

とニヤニヤしてしまうところは、

タイトルの『沖縄の庭を見直そう』と言う部分ですよね。

 

本土の人へ向けて、「沖縄の植物でガーデニングしませんか?」と提案しているのはなく、沖縄に住む人に琉球植物で琉球文化に根ざしたガーデニングをしましょうよ」と提案しているんですね。

 

 

ご存知の方も多いと思いますが、沖縄には風水と独特なスピリチュアルの文化があります。

 

昔から琉球庭園に植えられる植物には、風水由来の魔除けや縁起が良いと言われているものがあって、さらに植えるといい場所なども色々と言い伝えられているんですよね。

 

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首里城へ行くと、そんな縁起のいい木や聖なる木がたくさんあるんですよ。

 

首里城に近い金城町にある大アカギも神聖な木として知られ、パワースポットとして有名ですよね。

 

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ちなみに、あの華やかなブーゲンビレアには魔除けの意味があるんですって。

 

那覇市内でもよく見かけるガジュマルは、見ているだけでもなんだか力をもらえるような気がしますが、精霊キジムナーが住む聖木なんですって。

 

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琉球王国の時代から、ウチナーンチュの皆さんは庭に植物を植えることで運気を取り込んだり、幸せを願ったりしていたんですね。

 

そんなステキな文化を、「もう一度向き合って大切にしましょうよ。」

さらに、「琉球の木や花は美しいんだから、ガーデニングに使おうよ!」

という、写真もキレイで見ているだけでもうれしくなる本なんです。

 

この本を持って沖縄でまち歩きをすると、これまでと違った発見とパワーがもらえるかもしれませんね!

 

 

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